谷口隆志
Takashi Taniguchi
現・全日本、関東実業団少林寺拳法連盟名誉会長

(財)中小企業国際人材育成事業団・顧問
元・労働事務次官
ライフ・ステージを持とう(2003年度関東実業団大会挨拶より)

2003年関東実業団少林寺拳法大会にご来駕賜りましたご来賓・ご来場者各位に主催者を代表いたしまして、一言御礼を申し上げたいと存じます。

関東実業団連盟傘下職域支部の各拳士は、技術面のみならず人間成長の到達度を演武として表現すべく、今大会に向け一年間研鑽を積んでまいりました。職域を取巻く昨今の逆境の中で、七転び八起きの心で培った迫真の攻防から伝わってくるもの、さらに大会開催に汗した実行委員の労も、皆様にご感得いただけるなら幸甚に存じます。

長引く不況下、各企業・法人では経営縮小、整理再編が加速され、サラリーマンの生活環境も大きく様変わりしています。リストラ、配置転換も日常のこととなっておりますが、近年顕著なのはストレスから体調を崩す人々の増加です。いま社会人が求めているのは、仕事や環境の変化にたじろがない心身づくりでありましょう。福利厚生・余暇の一層の充実が必要です。加えて、何よりも生涯を貫く”生きがい””ライフワーク”を持つことの大切さが痛感されます。趣味の領域にとどまらず、自分を活かす場としてのライフ・ステージを持とうというのが、私どものメッセージです。

「人生は舞台、人は皆役者」(シェクスピア)と言いますが、人生における舞台を演出し、自身のドラマを持つこと。これは極めて創造的で楽しみを伴う生き方です。その大きな一つに少林寺拳法の修行があります。実業団の拳士や支部長、役員の中には、華道家、書家、茶道家、文筆家、音楽家等々、、文武両道・多芸多才で自分を輝かせる術を持つ方々がおられます。皆、余裕もあり、話題も豊富、危機管理能力も備えています。こういう人々が職域でリーダーとなって周囲に潤いを与えていることを考えますと実にたのもしい限りで、職域支部のさらなる発展を祈念する所以です。

ところで、人間は「考える葦」と言われています。”昨日よりも今日、今日よりも明日へ”と未来と希望を捨てず向上心を持って生きること、これぞ人生のエキス。これにより新たな透視図とさらなる人生設計が生み出されていくからでありましょう。

この間、実業団少林寺拳法連盟は考える葦となって、多くを提唱してきました。

特筆すべきは、皆様の記憶に新しい今春のグァム・サイパン航路での第35回洋上大学に宗由貴総裁を迎えて特別講演をお願いし、自己確立・自他共楽の理念を解説いただき、未知の人々への少林寺拳法の理解増進に大きく寄与できたことです。
また、人生80年時代と言われ、定年退職後の目標設定が模索されている今日、高齢者の方々への「健康増進」「生きがいづくり」「出会いの場」の提供という観点から、実業団指導者により、東京・中野のサンプラザ内にて、さらに東京都港区の区民施設でも少林寺拳法の紹介活動が好評裏に継続されてきました。サンプラザには、宗由貴総裁も2度お越し下さり、参加者と懇談され大きな反響を呼んでいます。

近く、総本山少林寺東京別院に於いても、高齢者向けの指導を始められると聞き及ぶにつけ、生涯学習における少林寺拳法の有用性を再認識いたした次第です。

開祖と総裁の教えを広め、少林寺拳法のあり方が正しく社会的に認知されるための取り組み、並びに、少林寺ファンの底辺拡大をめざす私ども実業団連盟の提唱が、少林寺拳法内外に活力とプラスイメージを与えていることを、まず喜びたいと存じます。

底の見えない不況、治安の悪化、世界各地での紛争やテロ、等々、、、暗いニュースが絶えない毎日ですが、いまこそ、全日本・関東実業団少林寺拳法連盟は社会を照らす”たいまつ”となって、明るい未来と平和と繁栄を願い、理想境建設に向け一層の前進を図ることをお誓い申しあげ、私の挨拶とさせていただきます。