谷口隆志
Takashi Taniguchi
現・全日本、関東実業団少林寺拳法連盟名誉会長

(財)中小企業国際人材育成事業団・顧問
元・労働事務次官
継続は力なり (2007年度関東実業団大会挨拶より)

2007年関東実業団少林寺拳法大会にご多忙にもかかわらず、ご来駕賜りましたご来賓・ご来場者各位に、主催者を代表し衷心より御礼申し上げます。

本大会出場拳士は、人間成長の到達度を演武に表現すべく研鑽を積んでまいりました。自他共楽の心で培った迫真の攻防から伝わってくるものをご感得いただけるなら、幸いに存じます。
さて、9月2日の世界陸上大阪大会女子マラソンにて土佐礼子選手(31歳)が2時間30分55秒3で走破し3位・銅メダルを獲得、日本陸上競技連盟では北京オリンピック女子マラソン日本代表に内定しました。五輪出場は2回目となります。大会での日本人選手のメダル獲得は彼女ひとり。レース1ヶ月前には練習中に転倒、左膝を強打し出場も危ぶまれていただけに、その奮闘は特筆されることでしょう。彼女は93年の愛媛県高校総体3000mで優勝以来、毎年各種大会に出場し入賞を果たしてきました。讃えるべきは、勝敗そのものより、多くの壁や挫折をものともせず不撓不屈のチャレンジ精神で目標に向かってきた姿勢でありましょう。まさに継続は力なり、人生はマラソンの如し。何事もペース配分が肝心だと痛感するところであります。

ところで、能率・効率本位の現代社会では、仕事上の難題・衝突・クレーム・ストレス等が容易に起こり、壁にぶつかることもしばしばです。求められるは職域のリーダーである拳士が困難に直面している同僚と問題を共有し、集団の英知で問題解決する行動力でありましょう。「自己確立・自他共楽」を本旨とする私どもは、普段より至極当然にこれを行っているところです。実業団拳士は開祖提唱の“七転び八起きの心”を基本に、職分を全うし、逆境を克服し、全国の職域に理想境を建設していくことに喜びをもつものであります。ここに少林寺拳法実業団連盟の存在意義があります。私は、実業団連盟会長就任以来、開祖の「逃げるな、忘れろ、楽しめ」というお言葉の深さに感銘を受けており、平素より行動の規範といたしております。

本年は少林寺拳法創始60周年にあたります。振り返りますと戦後間もなく宗道臣開祖が少林寺拳法を創始されて以来、不退転の決意で艱難辛苦と闘ってこられた姿が想起されます。あらためて、開祖の遺業に学ぶと同時に今日の隆盛を築かれた宗由貴総裁に敬意を表したいと存じます。併せて60年の歩みの中で社会に根をおろした少林寺拳法が、さらに広範な人々の要請に応えるため、幸福運動の推進を軸に少林寺拳法連盟内各組織の結束強化と幅広い人材の登用を図り、一層の発展がなされんことを願うものです。

最後になりましたが、この場をお借りして大会成功にむけ汗を流してくれた実行委員・スタッフ諸氏の労にも謝意を表したいと存じます。