谷口隆志
Takashi Taniguchi
現・全日本、関東実業団少林寺拳法連盟名誉会長

(財)中小企業国際人材育成事業団・顧問
元・労働事務次官
社会のアスリート (2008年度関東実業団大会挨拶より)

2008年少林寺拳法関東実業団大会に際し、主催者を代表して、来賓各位、OB、拳士の職場の皆様、ご家族の皆様に平素よりのご理解ご協力に御礼を申し上げます。

拳士が安心して修行に励んでいられるのもご家族の支援の賜物であり、衷心より謝意を述べたいと存じます。もっとも、ご家族のお陰があるからこそ、拳士も家庭においては良き夫(妻)良き父(母)でありたいと努めているわけであります。

ところで今夏、史上最多の204カ国、11,000名の出場選手を迎え、80余の世界新記録を生み出した北京オリンピックが開催されました。歴史絵巻を豪華絢爛に演出し、民族の協和をテーマとしたあの開会式の壮麗さには目を奪われました。

それはさておき、日本選手団は悲喜交々ながらも心に残る活躍を見せてくれました。
金メダル2大会連続2種目金メダルを達成した競泳の北島康介、2大会連続金メダル吉田沙保里(女子レスリング)、伊調馨(同)、谷本歩実(柔道)ならびに今大会で柔道の上野雅恵、石井慧、内柴正人が金メダルの栄冠に輝きました。受賞式後に1,2,3位の選手が1位表彰台でそろって祝福を受ける姿には好感をもちました。順位の別を越え、渾身の力を尽くしたライバルを讃え合う姿にすがすがしさを覚えたものです。終盤の陸上男子400mリレーで日本選手4名が銅メダルを受賞。「これは金に値する銅です。」と朝原宣治選手が語ったのが印象的でした(同種目80年ぶりの快挙)。 

各選手インタビューを想記し、共通点を挙げるなら「伸びるアスリートは『聴かせる言葉、伝えるべきメッセージ』を持っている」ことです。オリンピック入賞の域に達するには、身体能力のみならず根本の人間性が不可欠ということでありましょう。

翻って少林寺拳法には「拳禅一如」の教えがあります。拳の修行に加え人間的成長を図りながら、自己確立・自他共楽を実践し、理想境建設を目指すことが使命となっております。職域拳士は自覚を持ち少林寺拳法の修行を通して職場の良きリーダーとなり、仲間とともに職域を活性化し福祉の改善に努めることに誇りを持っております。言うなれば「社会のアスリート」。日本社会のため一層の貢献を期待する次第です。

最後になりましたが、大会開催に汗した実行委員・同スタッフ諸氏の労を多とし、併せて本日参会された皆様の益々のご発展を期して、私の挨拶とさせていただきます。