斥候隊の記録 Episode 3
         - 関東実業団連盟 SKボランティア -
※ 関東実業団連盟は東日本大震災の復興支援を長期的に支援していきます
参加者の目から見た実業団ボランティア日記   (文責:山下)

<希望の一本松>
昼食は高台にあるお寺でとることにした。階段の手すりの変形で津波の大体の高さが分かるのだが、ちょっと信じがたい高さまで海面が上がってきたことになる。

お寺のベンチで握り飯を頬張った。握り飯の中は鮭、梅干し、奈良漬。おかずにウインナーと漬物とゆで卵まであった。なんかムチャクチャ美味かった。

高台だけあって見はらしが良い。海の方を望むと一本の松の木が見えた。震災以降「希望の一本松」と呼ばれる名物松だが、震災前は海岸沿いの松原に生えるワン・ノブ・ゼムだった。
その左手には病院跡が見えた。3階まで津波に浸水して4階に逃げた人達が助かったという例の病院だ。いやでも地震当日の様子が想像される。壮絶な地獄絵図だったろうと思うが、今見上げると、空には赤とんぼがたくさん飛んでいて、のどか過ぎるぐらいにのどかだ。


昼食、ひと時の団らん

遠く画面中央の水門の左横にあるのが
希望の一本松・・・見えるかな

午後もひと踏ん張りしますかっ!
<草刈義勇軍>
午後、草刈り隊が募られた、少し離れたところの元・田んぼの雑草を刈り取るのが任務だ。4台のガソリン・エンジン付き草刈り機がある。つくばの高崎さんと、鎌倉の押山さん、JFEの内舘さん、そして私が草刈隊に志願した。

肩から草刈機を下げて、だだっ広い草むらに入っていく。もちろん入り口があるわけではないあぜ道の上からエイヤッと目星をつけて草を刈り、一歩進んでその先を刈る。歩いたところに道が出来て行く感じだが、胸まであるかと思われる雑草を刈るのは草刈機を使っていても一苦労だった。また、草の下に鉄やコンクリの瓦礫があるので、思い切りよく根元に歯を入れるのは危険だ、もの凄い音と衝撃が返ってくることがある。「膝ぐらいの高さに歯を入れて瓦礫があったら分かる程度に刈り込んでおくだけで結構です」畠山先生に言われたことを思い出した。 またいきなりのぬかるみ、突然のあぜ道出現もあり、見た目以上に難航した
<狼の集団>
現在、ボランティアセンターは草刈り機、チェーンソーなどの機材貸出は行っていない。怪我人が出たためだ。ただSKボランティアだけはちょっと特別らしい。毎週のように団体で人を送り込み、のべ数百人のボランティア人材を提供してきた実績、それに師弟関係をベースに統制の取れた集団というところがきちんと評価されているという。まさに開祖が描いた狼の集団だ。
つまらぬ不注意で信用失墜となっては申し訳ない、我々も細心の注意を払って草刈り機を使用した。

15時、作業終了。ちょっと早いようにも感じるが、15時以降作業中の事故率が高くなる統計が出ている。でもって振り返って本日の作業成果を確認してみる。へろへろになるほど働いた割には、凄い成果・・・とは言い難い。目の前には、まだまだ手付かずの雑草エリアが広がっていた。でも焦ってはいけない、ノルマを課さずに粛々と作業するようにしないと、かえって事故を誘発する。
<癒しの時間>
作業終了後、玉山金山霊泉「玉乃湯」へと向かった。SKボランティア拠点は村の集会所を借りているので風呂の設備はない。夏の暑い時期に小林部長率いる全国麻取の面々が風呂代わりに目の前の気仙川で体を洗ったという伝説を残したが、その他のボランティアは数キロ離れた温泉に行くのが通例となっていた。

私は高崎親子の車に便乗させてもらった。レガシーのボクサーエンジンが気持ちよく吹けて山道を登っていく。「こんな先に温泉なんてあるの」息子さんがお父さんに聞いた。確かにそう聞きたくなるのも分かる。舗装はされているもののあたりに民家は見えない。
以前一度来たというお父さんは「大丈夫、不思議なんだけど意外と人が来てるんだよ」と答えた。

お父さんの方はつくば学園都市で学校の先生をしている。一緒に草刈をしたが、普段から校庭の雑草を刈っているらしく慣れた手つきで機材を扱っていた。息子さんは高校一年生、試験の直前にもかかわらず親御さんと一緒に参加。ただいま病気療養中で休眠拳士だとか。

駐車場はほぼ満杯。湯治場的宿泊客の他、ボランティアの利用もありキャパシティ・オーバー。湯船待ち、洗い場待ちとなってしまった。それでも湯船に入れば気持ちよい。誰からともなくうめき声に近い感嘆の声が漏れた。

我々が帰る頃、大型観光バスが到着したが、あの狭いお風呂にどうやって入るのだろうか・・・。
<カレーライス>
この日の夕食はみんな大好きカレーライス。私達が子供の頃、キャンプと言えばカレーライスが定番だった。支援物資として大量に届いたルーを使ったものだが、残念ながら甘口だった。無難な線ではあるが、大人にはちょっと物足りないかもしれない。

サイドメニューで早瀬道院の藤本さんが何でも入りチャーハンを作ってくれた。梅干しやら鮭やら菜っ葉やら・・・不思議味のこのチャーハンとても美味しかった。ここのチャーハンにカレーを掛けると更に乙だった。

真っ青なつなぎに身を包み、もくもくと仕事をこなす姿が印象的な藤本さん。林先生に誘われて今回2度目のご参加だという。

朝はバタバタしていてじっくり見ることはできなかったが、食事の支度中、拠点の中を見渡してみた。食料、飲料、調理機材。寝袋や作業時のヘルメットに安全靴、シップ類も充実していて作業のアフターメンテナンスも完璧だ。
壁には応援の寄せ書きやノウハウ、それと生活スケジュール表まで掲示されてあった。要領の分からない初参加者にとってこれは助かる。


お疲れ、乙カレー!

夕食後は飲み会。軽くのはずだったが、少林寺拳士が集まれば軽くではすまない。話も弾むし酒も進んだ。そんな中、私は片っ端からみんなの身体を揉みほぐすことにした。疲れの種類を考慮し、整骨よりも指圧系技術を多く使ってみた。

JFEからご参加の長尾さんの背中は広かった。無口な方だが、時々見せる笑顔がかわいい。背中のほか肩甲骨周り、腰周り、脚も相当コリまくっていた。
今朝いきなり合流したサラリーマンのナカシマさんには少林寺拳法の紹介も兼ねて指圧でほぐしたあと、整骨で頚椎と腰椎を鳴らしておいた。骨を鳴らしてもあまり意味がないが、爽快感が伴うしパフォーマンス効果は高い。

他にも数人揉みほぐしておいた。全員が全員、見事にコッていた^^;


続く・・・ 

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