斥候隊の記録 Episode 4
         - 関東実業団連盟 SKボランティア -
※ 関東実業団連盟は東日本大震災の復興支援を長期的に支援していきます
参加者の目から見た実業団ボランティア日記   (文責:山下)


君はヤンキーモンキーベイベー!

夫唱婦随とはこのことか。。。
<東北の朝>
10月9日、活動2日目。6時起床だが、昨夜が10時消灯だったため睡眠時間は十分。気持ち良く目覚めることができた。岩手の朝の空気は冷たかった。

私は5時半過ぎには目が覚めていたが起き上がれなかった。腰痛がひどい。床に拳をついて上体を起こす。次に左膝を立てる。だけど腰が痛くて体重を支えられない。はっきりいってギックリ腰だ。
もともと椎間板ヘルニアなので時折こんなことになる。昨日は腰痛防止のため、ゴムバンドを腰に巻いて予防に努めたが効果はなかったようだ。荷物になるからとコルセットを持ってこなかったことを後悔した。

「ギックリ腰です」と言ってしまえば楽になるのだろうが、初日に張り切ってギックリ腰など、なんとも格好悪い気がした。皆さん気を使って「寝てろ」と言うに決まっている。意地でもここは隠し通したい。上体の力と太ももの力で強引に立ち上がり、ソッコーでゴムバンドを巻き、ゆっくりと身体を揺らしながら痛みに慣れるのを待った。

田邉先生が目ざとく見つけ「これは効くんですよ」とご持参のシップを貼ってくれた。田邉先生も腰痛予防にゴムバンドを持参してこられた、恐らくご本人も腰痛には苦労されているのだろう。周囲に気を使うサービス精神旺盛な神奈川の元ヤンだ。

その田邉先生の相棒として鎌倉市役所から一緒に参加されたのが押山さんだ。人の話を聞く時の相槌の打ち方が絶妙。単なるテクニックではない。相手に興味を抱きベクトルを合わせているのがよく分かる。四段まで田邉先生とご一緒に昇段を続けてきたが最近あまり練習に来てないらしい。キャラが良いだけに勿体ない、練習復帰を強く望みたい一人だ。

昨日からの連続参加のため、今日は代表者だけがボランティアセンターに行き、あとのメンバーは直接現地へと向かった。
移動する車の中で、「昨日の夜は蛙が一杯泣いていました」富士通ゼネラルの畑中先生が言われた。蛙なんていただろうか、一瞬考えて誰かのイビキのことだと分かった。関西出身の先生だけあって笑いのとり方にこだわりを感じる。
今回奥様と二人でのご参加だが、仲が良いのには驚いた。爪の垢を煎じて飲まなくては・・・。
<マジすか?>
本日の作業は昨日と同じ場所で同じ作業。ぷら〜す、農業用ため池の掃除がついてきた。
ため池といっても小学校のプールぐらいの広さがある。淵は土で足場が悪く、ぼうぼうと雑草が周りを囲んでいる。それはまるで「近寄るな、ため池に落ちるぞ」と警告しているかのようだった。


マップで見てもゴミが浮いているのがわかる。
作業時はさらにゴミ、藻が増えていた
GoogleMapより

水面には木材やら竹やら得たいの知れないゴミやらが浮いていて池の半分を覆っている、残りの半分から水中が覗けたが、隙間に広がる藻と濁った水のおかげで、底に何が沈んでいるのかまでは見えない。汚い上に危ない、こんなの重機でも入れないと無理だろう。

恐らく全員が(えっ?)と思ったのではないだろうか。林先生が「今日はこの池をやろうか」とニコニコしながら言ってのけた時、参加者の多くは池を見降ろしながら口をモグモグとさせ声にならない抵抗を試みていた。

あとで畠山先生から聞いたことには、ボランティアセンターでも「できれば・・・」という前置きのうえ、申し訳なさそうに依頼してきたという。無理を承知だったのかも知れない。


作業の合間のひととき
負けるもんか、負けるもんか、負けるもんか。

後ろの林、葉が赤くなった木は
津波の塩害で枯れてしまったもの
分かりやすい。。。

まだ、途方に暮れていた頃

浮いているゴミを押す

さらに押す

周辺の雑草を刈りながら
ゴミを引き上げる
<それでも前進する>
しかしどうしたものか・・・皆が固まっていると、林先生から指示が飛んだ。「道具つくろうか。生竹を20本ぐらい切り出してきて」。私は先生のノコギリを手に裏の林に入っていった。
切り出した竹の枝を払い、その長い竹棒でごみを手繰り寄せては皆で拾い上げる人海戦術の消耗戦が始まった。木材からは釘が頭を出している。引き上げたものからはヘドロの匂いもした。でも汚いとか重いとか言っていられない。とにかくやるしかなかった。
道具もノウハウも無いままに取り組んだ作業だが、それでも、だんだんと作業効率が上がってきた。

大物を竹の棒で岸に寄せる。それを高崎さんが熊手で掻き寄せ、根本先生が腕に抱えて引き上げる・・・が、それでも重そうだ。私も横から竹で手伝った・・・が、竹が滑って根本理事長に汚泥を掛けてしまった。慌てる私に根本先生が笑いながら「いい思い出ができました」と言われた。

思えば今日のボランティア活動もこの屈託のない笑顔がきっかけだ。実業団連盟の理事会でいち早く、そして最も強く現地入りを希望したのが根本先生だった。理事長自ら先陣を切ったことで弾みがついたことに間違いはない。昨年の40周年記念式典の時もそうだったが、根本先生の無邪気な笑顔に皆うまく乗せられた気がする。もっとも所属連盟のフットワークが良いことに悪い気はしない。

何かの門か柵のような大物がイカダのように浮いていた。そいつを手繰り寄せ、ロープを掛けて皆で引き上げたところで午前中の作業は終了となった。真水で手を洗い握り飯を頬張る。今日はメニューに玉子焼きが追加されていた。昨日よりも一品豪華♪

派手な作業、大きな物に目が行きがちだが、それを支える女性陣の活躍は凄かった。林先生の奥様と畑中先生の奥様は、朝起きて朝食の準備を取り仕切り、一緒に現地に来て地味な作業を片っ端からこなしていく。ナデシコ・ジャパンにも匹敵する活躍ぶりだった。


まだまだ続く・・・ 

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